トリートメントの基礎知識


毎日使っている、トリートメントやリンス、コンディショナー。ちょっとしたコツでその効果が倍増するとしたら……? ぜひ、試してみたいと思いませんか。今回は、トリートメントの基礎知識と効果的な使い方をご紹介しましょう。

 

トリートメントとリンス、コンディショナーは
何が違う?

あなたはシャンプーの後に何を使いますか? トリートメント? コンディショナー? それともリンス? いずれも毛髪をコーディングするヘアケア剤ですが、これらは一体、何が違うのでしょうか。それぞれの特性をご紹介します。

■リンス
リンスは、3つの中で一番最初に開発されたヘアケア剤。アルカリ石けんを中和させ、くし、ゆび通りを良くし、石けんカスを落とすために作られました。粘度は低く、毛髪の表面に付着します。
ちなみに、リンス(rinse)は、英語で「すすぐ」という意味。その昔、石けんで洗髪していた時代は、「酢」で髪をすすいでいました。

■コンディショナー
シャンプーの後、毛髪のコンディションをよくする目的で開発されたヘアケア剤。毛髪に汚れがつかないようにしたり、サラサラ・しっとりさせたりします。やや粘度が高く、毛髪に吸着(内部に少しだけ浸透)します。

■トリートメント
トリートメントとは髪の栄養分、すなわち髪の内部に栄養を補うことです。毛髪を健康にする目的で考えられ、作り出されたものですが、現在はリンス感覚で使用されています。粘度は高く、毛髪に収着(内部に深く浸透)します。

トリートメントの目的、選び方について

いろいろな種類があるトリートメント剤。その目的や選び方についてお話します。

■トリートメントの目的
トリートメントの一番の目的は、「水分と油分を補う」こと。毛髪の理想的な水分量は12~13%なので、シャンプーしながら髪に水分をしっかりと含ませ、油分でコーティングしてあげます。ドライヤーの熱などからの乾燥を防ぎ、同時に枝毛・切れ毛も防ぎます。

■トリートメントの選び方
ヘアケア製品には、「さらさら」「しっとり」「カラーリング用」「パーマ用」「ふけ・かゆみ用」など、さまざまな効果をうたったものがあります。基本的には、シャンプーとトリートメントは、同じシリーズを選んだ方がよいでしょう。商品を開発する際、その効果はセットで使うことを前提に考えられているからです。
また、香りや毛髪の仕上がりのイメージはもちろん、頭皮や毛髪の状態によって選んでください。頭皮の脂分が多いようであれば、「さらさら」効果が高いものを、脂分が少なく毛髪がパサパサしているようであれば、「しっとり」効果が高いものを選ぶとよいでしょう。

■人気のアウトバストリートメントの効果
最近人気なのが、洗い流さないタイプのトリートメント(アウトバストリートメント、リーヴイントリートメント)。私どもの間でも、「トリートメント効果が高い」とたいへん注目しています。ただ、つけすぎると毛髪の油分が多くなり日焼け(油焼け)などの原因になってしまうので、用量を守ってお使いください。

 

トリートメントの効果を引き出す使い方

何気なく使っているトリートメント剤。ちょっとしたコツで、その効果をより引き出すことができます。反対に、使い方を誤ると、頭皮トラブルの原因になってしまうことも。トリートメントの効果的な使い方をご紹介します。

■トリートメントの手順
1.シャンプーの前に髪をお湯で流します
2.頭皮にシャンプーをつけて、ていねいに髪と頭皮を洗います
3.しっかりとすすぎます
4.トリートメント剤の油分をはじかないよう、軽くタオルドライします
5.トリートメント剤を手のひらに広げます(用量を守ること!)
6. 内側からたたくようにして、トリートメント剤を髪につけます
(ショートヘアの方は髪をつまむ感じで)
7.少し時間をおきます
8.髪をこすらないよう、やさしくすすぎます

特に注意したいのは、トリートメント剤を頭皮につけないようにすること。頭皮に擦りこんだり、伸ばしたりするのは厳禁です。せっかく頭皮をきれいに洗った後に、余計な油分を与えてしまうことになります。毛穴をふさぎ、頭皮に細菌が繁殖したり、炎症の原因になったりします。

■ダメージがひどい時の対処法
特にダメージがひどい方は、トリートメント剤を髪につけた後、シャワーキャップをかぶり、5~10分ほどおきます。そのまま湯船につかってもよいでしょう。毛髪があたたまることでタンパク質の結合がゆるみ、トリートメント剤がより内部に浸透します。週に2回くらい行うと効果的です。それでも回復が見られない方は、残念ながら傷んだ髪を切るしかありません。新しく伸びた髪を大切にしてあげましょう。

トリートメント剤はたくさんつけたからといって、効果があがるわけではありません。油分が多すぎると、日焼け(油焼け)しやすくなり、毛髪が赤くなるなど退色する原因となってしまいます。製品ごとに決められた用量を守り、正しく使いましょう。